MAP

project

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 私たちは2019年の7月以来、長崎県川棚町石木郷こうばる地区を訪れ「石木ダム問題」についての取材、リサーチを重ねてきました。公共事業の開発における土地の権利をめぐり、長年行政と住民との間で対立が繰り広げられている同地では、ダム建設への賛成・反対といった二項対立では説明しきれない、さまざまな立場・環境に置かれている人々がいます。
このMAPプロジェクトは、そうしたさまざまな立場に置かれた人々が抱えるそれぞれの思い、そしてその人に見えている風景の写真を合わせて地図上に位置づけます。そうすることで、「石木ダム問題」をめぐる複雑な状況をあらゆる構図に分類することなく、ありのまま可視化させることを目指します。また人々の思いをそれぞれの視線によって切り取られた風景とともに見せることで、立場や環境による景色の見え方の違いもあらわにします。

  そして2019年にはついに、法律によって土地の所有権が住民の手から国へと移されてしまいました。このようななか、数週間にわたる現地滞在を複数回行ったり、また地域の子ども向けに葉っぱを用いたワークショップを開催したりするなど、色々な方法で同地の方々とのコミュニケーションを図ってきました。そして現地住民や行政側、その他さまざまな関係者への取材・リサーチを重ねていく中で見えてきたのは、ダム建設への賛成・反対といった二項対立では説明しきれない、住民の方々や関係者たちの複雑な思いや暮らしのリアリティでした。


©soiのてはじめ